Johnny Angel / Sherry Fabares
ビートルズ登場以前の洋楽、つまりポピュラー音楽では、ポップス、映画音楽、カントリー、ラテンというようなカテゴリー分けされていたと思いますが、ポピュラーミュージックとロックンロール、ロックの仕分けは曖昧で、R&B(リズム・アンド・ブルース)となるとさらに複雑で、現在ではR&B(RアンドB)というとリズム・アンド・ブルースとは違うカテゴリーを指しているように思うのは自分だけではないと思います。
同じことはロックンロールとロックにも通じているような気がします。この難解さは、いまに始まったわけではありません。ビートルズ以前はさらに複雑怪奇でポピュラー音楽のことをジャズと表現していた時代に別れをつけたのは、ビートルズ以後でなかったでしょうか?その混乱は整理されていません。
これには聞く人、あるいは場所(集まり)でカテゴリー分けがきっちんとあって「ジャズ喫茶」でフランク・シナトラをジャズとは扱わず、流さないし、レコード店ではある時期までは「ジャズ」と呼んでいた気がします。
キング、エルヴィス・プレスリーでさえジャズに入れられたりするものの、エルヴィス・プレスリーとフランク・シナトラを同じカテゴリーとみなさない人や場所では、エルヴィス・プレスリーはロックであり、カントリーであり、ポップスであり、フランク・シナトラはポピュラーだったりする。
しかし、エルヴィス・プレスリーはハンク・ウィリアムスのカヴァーをするなど明らかなカントリーを歌っていましたね。これをロックと取り扱う人もいればカントリーと取り扱う人もいます。
アメリカに行ったっときにカントリーミュージシャンにエルヴィスはカントリー・ミュージシャンかと尋ねたことがあるが、「ロックンロール」とあっさり否定された。
ハンク・ウィリアムスもカヴァーしていると投げかけましたが、答えは変わりませんでした。同じく黒人のブルースミュージシャンにエルヴィスは「ロックンロール」か「ポップス」と尋ねたら「ロックンロール」と返ってきました。
その「定義づけは、すべて主観によるものか感情的な定義づけにすぎない」のです。つまりパフォーマーの感情、あり方によってカテゴリー分けがされているので、音楽業界として毅然としたものがあるわけがなく、パフォーマーのことを理解していないプロの手にかかると、「ロック」にもなるし「ポップス」にもなっているのでないかと思います。
その状態をそのまま日本の音楽シーンに持ち込んだのが「Jポップス」というカテゴリー。かって美空ひばりは「りんご追分」のような歌謡曲(つまりポピュラーに該当する?)も歌えば「真っ赤な太陽」のようなグループサウンズ(リバプールサウンドに該当する?)ありました。やはり歌謡曲にカテゴリー分けしたと思います。
誰かが権威をもって整理しなければ収拾がつかない。
つまりどうでもいいのでしょう。
音楽がなかったからといって餓死しません。コーヒーのようなものです。でも人がコーヒーを愛するのは「癒し」があるからです。
音楽も同じです。エルヴィス・プレスリーはロックのルーツは「教会音楽」にあると言い続け、生涯「ゴスペル」を愛しました。
The RCA Albums Collection
当初、猥褻と批判されたパフォーマンスは、エルヴィスが教会で身につけたものでした。
キング、エルヴィス・プレスリーともっとも共演が多かったシェリー・フェブレー。シェリー・フェブレーはテレビドラマで人気になり、主題歌も歌ってヒットチャートのトップに送り込みました。稀有なポップスのお姫様です。相手役とは一回しか共演しないエルヴィスが何度も共演した背景には映画のポップな印象に合っていたことと信頼があったからでしょう。
音楽がなかったからといって餓死しません。コーヒーのようなものです。でも人がコーヒーを愛するのは「癒し」があるからです。
音楽は愛の想い、つぶやき、ため息ですね。
すてきなポップスから音楽の祈りをひとつ。
ジョニー・エンジェル ジョニー・エンジェル
あなたは私のエンジェルよ
ジョニー・エンジェル ほんとに彼を愛してるの
彼がそばを通るだけで痺れちゃうの
「ハロー」と声をかけられるだけで
胸がドキドキしてしまうの・・・・・
シェリー・フェブレーが1962年に発表したデビュー・シングル<ジョニー・エンジェル>
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